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探偵と警察の関係まとめ|協力の有無や明確な違いはあるのか?

映画や小説では、警察と探偵が協力して事件を解決する作品が多くありますよね。では、実際には探偵と警察に協力関係があるのでしょうか?

当記事では、探偵と警察の関係について解説します。探偵と警察の違いや、民事と刑事の違いについて解説していくので、最後まで読んで参考にしてみてください!

探偵と警察の関係

物語の中では、探偵が推理をして事件を解決へ導くシーンが描かれますが、実際に協力することはあるのでしょうか。ここでは、探偵と警察の協力関係や、探偵と警察が連携するケースについて解説します。

探偵と警察の協力関係はない

探偵が警察と協力して事件を解決することはありません。探偵は民間企業なので、調査を依頼するには費用がかかります。そのため、公費をつかって警察が探偵に調査を依頼するということはないのです。

探偵は警察から監督を受ける立場にあります。探偵事務所を開業するときは、警察署を通じて公安委員会に届け出をすることが義務付けられており、開業後も警察から定期的な立入検査や指導を受けなければなりません。

探偵が業務を行う上で、警察と密接な関係があることは確かです。しかし監督されているだけであり、刑事事件を解決するために、探偵に調査や推理を依頼するということはありません。

探偵と警察が連携するケース

警察から探偵へ調査協力を求めることはありませんが、探偵から警察に対応を求めることはあります

探偵が警察に捜査を求めるケース①

ストーカー被害に遭った女性が警察に相談したが、証拠不十分で対応してもらなえなかった。探偵に相談してストーカーの証拠を取得し、再度警察に相談して加害者が逮捕に至った。

探偵が警察に捜査を求めるケース②

素行調査の途中で、ターゲットが犯罪に巻き込まれていることが判明した。依頼者に状況を話し、警察に相談して事件が明らかになった。

探偵が警察に捜査を求めるケース③

浮気・不倫調査の最中で、結婚詐欺であることが判明した。事実を確認した上で警察に証拠を提出し、詐欺を明らかにしたことで被害を未然に防ぐことができた。

上記のように、探偵が取得した証拠をもとに警察が捜査を行い、事件を解決へ導くことは多々あります。これは、探偵が民間人として警察に捜査を求めている状況です。警察と協力しているわけではありません。

探偵と警察の違い

人を探したいときやストーカー被害に困ったときなど、トラブルの相談先として「探偵」と「警察」の選択肢があります。では、両者は具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは「探偵」と「警察」の違いについて解説します。「民事」と「刑事」の違いについても触れていくので、しっかり見ていきましょう。

民間企業と公的機関の違い

探偵は民間企業なので、調査費用は依頼者が支払うことになります。調査依頼がなければ、探偵は収入を得ることができません。

警察は公的機関なので、警察官の給与や捜査費用は公費(税金)で賄われます。被害届や捜索願を提出し、その捜査に数百人の警察官が動員したとしても、被害者が捜査費用を負担することは一切ありません。事件が全くなくても、警察官への給与は支払われます。

また、警察官は「公権力」を持つ立場です。「公権力」とは一般の人に強制や命令ができるものであり、犯罪者を逮捕する権限を持ちます。

対する探偵は「公権力」を有しません。調査の途中で犯罪を突き止めたとしても「公権力」の範囲である逮捕はできないのです。

民事と刑事の違い

警察が扱うのは「刑事事件」です。傷害や窃盗、詐欺や横領など、いわゆる「犯罪」と呼ばれるものが該当します。

それに対し、探偵が扱うのは「民事事件」です。「民事事件」とは浮気・不倫や金銭の貸し借りなど、私人間のトラブルのことをいいます。

警察は「民事不介入」です。男女関係のトラブルやいじめ、近隣トラブルが起こっても、事件性がないと判断されれば「民事」扱いになり、警察による対応が受けられません。

探偵は「民事トラブル」を専門に扱うため、相談すればすぐに調査してくれます。探偵の取得した証拠をもとに、警察に「刑事事件」として捜査を依頼することも可能です。

刑事裁判の有罪判決では罰金・懲役が科せられる

刑事裁判は、犯罪行為を犯した私人に対して国家が処罰を科するものです。事件を起訴する「国家(検察官)」と訴えられる「被告人」の争いになります。

刑事裁判において「和解」となることはありません。犯罪が証明されて有罪判決が出ると、懲役や罰金などの刑罰が科せられます。

民事裁判では金銭の支払いが要求される

民事裁判は、私人間(個人・法人)のトラブルに関して利害関係を調整する手続きです。国民が誰でも起訴提起でき、訴える私人(原告)と訴えられる私人が(被告)の争いになります。

刑事裁判と異なり、民事裁判の最中であっても和解による解決が可能です。判決が出ると慰謝料や損害賠償の支払い命令が下り、支払い命令に従わない場合は強制執行ができるようになります。

探偵と警察のどちらに相談するべき?

人探しやストーカー被害など……さまざまな問題が起こったとき、相談先として「探偵」と「警察」の選択肢があります。自分では「刑事」と「民事」の判断が難しく、どちらに相談すればいいのか迷ってしまいますよね。

ここからは、状況に応じた相談先を紹介します。問題をスムーズに解決するための方法を簡単に解説するので、参考に読んでみてください。

男女関係のトラブル

男女関係のトラブルは、基本的に「民事事件」に該当します。しかし、暴行や詐欺などの場合もあるので判断が難しい案件です。

探偵パートナーが浮気・不倫している
パートナーからモラハラを受けている
警察パートナーから暴力を受けた(暴行罪/傷害罪など)
美人局被害に遭った(詐欺罪/強盗罪/恐喝罪など)

浮気や不倫、モラハラ等で事件にするのが難しそうな場合は探偵に調査を依頼してください。証拠を集めて民事裁判を起こし、損害賠償や慰謝料を請求することが可能です。

ただし、暴力や詐欺被害などに遭った場合は警察に相談しましょう。事件性があれば、警察はすぐに対応してくれます。

金銭トラブル

金銭トラブルは、状況に応じて対応が変わります。以下の表を参考にして、探偵と警察のどちらに相談するか考えてみてください。

探偵家族がお金を持ち逃げした
お金を貸した人が行方不明になってしまった
持ち逃げされた金額が少額
警察詐欺の被害に遭った(詐欺罪)
借金の取り立てで暴行を受けた(暴行罪/貸金業法違反など)

まず、家族がお金を持ち逃げしても窃盗罪に該当しないため、警察は動いてくれません。「親族相盗例」というケースで、配偶者・直径血族・同居の親族までの犯罪は刑が免除されるのです。

家族からお金をどうしても取り戻したい場合は、探偵に人探し調査を依頼して所在を特定し、民事裁判を起こすことになります。また、お金の貸し借りが成立している場合も民事の案件です。「返す」と言って帰さない場合は「詐欺罪」が成立しますが、解決までに相当な時間がかかります。

もし、詐欺や強盗などの被害に遭った場合は警察に相談してください。また、借金をしている場合でも、貸金業者による不当な取り立てを受けている場合は警察に対応を求めることが可能です。

いじめや各種ハラスメント

いじめや各種ハラスメントについて、警察に相談することは可能です。しかし、事件性が薄い場合や、証拠が少ない場合は対応してもらえません。状況に応じて、探偵を利用することが効果的です。

探偵学校や職場で嫌がらせを受けている
加害者から損害賠償や慰謝料を請求したい
警察暴行や脅迫、器物損壊など明確な被害がある
SNSなどで実名を出して具体的な誹謗中傷を受けた(名誉棄損罪)

暴行や脅迫、器物損壊や強姦など……明確な被害が起きているなら警察に相談してください。会社の上司や同僚、子どもの同級生であっても、遠慮や我慢をする必要はありません。自分や子供を守ることを第一に考えましょう。

近隣トラブル

近隣トラブルは、ほとんどが「民事事件」に属します。基本的には、警察に相談するよりも探偵に対応を求める方がスムーズです。

探偵近隣の騒音がうるさい
隣の家の植木が敷地に侵入してきて迷惑
近所の人に悪口を言われている
警察近所の人に窓を割られた(器物損壊罪)
車を傷つけられた、パンクさせられた(器物損壊罪)
庭に置いてあった自転車や植木を盗まれた(盗難罪)

ただし、器物損壊などの悪質な被害がある場合は警察に相談しましょう。監視カメラやドライブレコーダーなどの映像があれば、証拠として提出できます。加害者が誰か分からない場合は、先に探偵に調査を依頼してから対応を検討してみてください。

ストーカー対策/盗聴器調査

つきまといなどの迷惑行為については「ストーカー規制法」があるので、警察に対応を求めることが可能です。ただし、実際に事件が起こるまではすぐに動いてもらえません。

探偵ストーカーされている(特に被害はないが気味が悪い)
盗聴されているかもしれない
警察ストーカーによる悪質な被害がある(脅迫罪/暴行罪など)
盗聴器を自ら発見した(住居侵入罪/器物損壊罪など)

ストーカーによる悪質な事件が起こる前なら探偵に相談するのがベスト。ストーカーが誰か特定し、最良の対策方法をアドバイスしてもらえます。被害の証拠が取得できれば、警察による対応が受けられるでしょう。

また、盗聴器を購入したり、使用したりするだけでは罪になりません。「盗聴されてるかも」という段階なら、探偵に調査を依頼するのがおすすめです。自分で盗聴器を見つけた場合は、警察の立会いのもと「住居侵入」「器物損壊」などの罪で捜査が行われます。

人探し/家出調査

人探しについては「事件性があるか、ないか」が判断基準になります。18歳未満の行方不明者であれば、事件性が高いので迷うことなく警察に相談してください。

探偵18歳以上の家族が行方不明になった
事件性はないが探したい人がいる
警察18歳未満の子供が行方不明になった
行方不明になった人物の遺書が残されていた
事故や災害に巻き込まれた可能性が高い

18歳以上の行方不明者は「家出」とみなされ、捜索願を出しても実際に動いてもらうことは困難です。探偵ならすぐに調査できるので、18歳以上の行方不明者や会いたい人がいる場合は探偵に調査を依頼しましょう。

ただし、18歳以上の人物でも遺書が残されている場合は警察に相談可能です。事故や災害に巻き込まれた可能性がある場合も、警察がすぐに捜査をしてくれます。

探偵の尾行・張り込みを通報したらどうなる?

探偵の尾行や張り込みに気付き、あまりにも執拗な行為に恐怖を感じる状況であれば、警察に通報することが可能です。探偵は「迷惑防止条例違反」等で注意や処罰を受け、探偵事務所自体が行政処分を受けることになります。

探偵は、特別な権利が与えられているわけではありません。「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」の第6条に基づき、人の生活の平穏を害する等の行為は認められていないのです。違法行為を行えば、一般の人と同様に罰せられます。

ただし、基本的な尾行や張り込みは違法ではありません。ターゲットに気付かれずに調査を行えば、合法の範囲内の業務として認められています。

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探偵と警察の関係まとめ

探偵と警察には、明確な違いがあります。探偵は「民事事件」を扱う民間企業であり、警察は「刑事事件」を扱う公的機関です。映画や小説のように、探偵が警察と協力することはありません

ただし、警察が動いてくれない問題でも、探偵が証拠を掴むことで警察に動いてもらうことが可能です。私人(個人/法人)同士で問題が起こったときは、警察だけでなく探偵の利用を検討してみてください!

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