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探偵の調査報告書は裁判で使える?内容や法的効力について徹底解説

探偵に不倫調査を依頼すると、結果は「調査報告書」にまとめられます。パートナーの不倫を理由に離婚を考えているなら、探偵の調査報告書を手に入れることで裁判が有利になる可能性が高いです。

ただし、探偵社によっては調査報告書のクオリティが低く、裁判で使えない場合もあります。では、良い調査報告書には一体どのようなことが書かれているのでしょうか?今回は、調査報告書の内容や法的効力について紹介していきます。

探偵の調査報告書の内容

「探偵を選ぶときは調査報告書のサンプルを見て選べ」といわれるほど、調査報告書は依頼人にとって重要な資料です。調査報告書のクオリティが高ければ高いほど、不倫の証拠として高い効果を発揮します。

では、探偵の調査報告書には「何が」「どのように」書かれているのでしょうか。一般的な調査報告書に記載される項目について紹介します。

ターゲットの情報と調査内容

調査報告書には、1ページ目に「調査実施日」「対象者の情報」「調査内容」などが記載されます。「対象者の情報」とは名前や住所、勤務先など。車種やナンバー、勤務先の電話番号まで細かく記載する場合もあり、書式は探偵社によってさまざまです。

次に依頼内容や調査目的、調査方法などが記載されます。項目が詳細な調査報告書は、クオリティが高いといえるでしょう。探偵各社で項目数の増減があるので、サンプルを見て確認してみてください。

行動の日時や写真

調査開始から終了まで、時系列で詳細に行動を記録していきます。

  • 自宅を出た日時
  • ターゲットの服装や持ち物
  • ターゲットが使用する車の車種やナンバー
  • 立ち寄った店と住所
  • 浮気相手と合流した日時、場所
  • 入店したホテル名と住所、料金等
  • ホテルの利用時間
  • ホテルから出てきたときの様子
  • 浮気相手と別れた場所、時間
  • 上記すべての鮮明な証拠写真
  • 家を出た瞬間から、尾行や張り込みをしながらバレないように撮影していきます。調査報告書に添付される写真は、顔が本人だとはっきり分かる鮮明なものであることが重要です。

    「〇時〇分 〇〇カフェに入店 笑顔で会話する様子」「〇時〇分 〇〇ホテルへ正面出入口より入る」など、写真と文字で詳細に記載。「いつ・どこで・誰と・何をしたか」が分かる文章と写真が記載されている調査報告書ほど、裁判で有利に活用できます。

    相手の情報など判明事項

    ターゲットが浮気相手と別れたら、2手に分かれてターゲットと浮気相手の両方を尾行。浮気相手を尾行して分かった住所や職場、家族構成などを記載していきます。

    正面から撮影した鮮明な顔写真や最寄り駅、自宅に入る瞬間や表札まで撮影。そこから指名や生年月日、住所や電話番号などを調べ、判明事項として記載されます。

    相手の名前や住所を知ることで、内容証明の送付や慰謝料の請求ができるようになります。不貞行為の証拠だけでなく、相手の情報までしっかり調べてくれる探偵を選びましょう。

    客観的な所見

    調査によって分かったターゲットの行動や判明した事実をもとに、「不貞行為を行っていることは明らかである」などの探偵による所見が記載されます。不倫が原因の離婚裁判において「第三者が見ても明らかに不貞行為が行われていること」が分かる証拠が重要になるため、所見の記載は重要です。

    所見は探偵による個人的な見解なので、調査報告書には記載しない探偵社もあります。しかし、調査報告書に記載される情報量はできるだけ多い方が良いと考えられるので、所見がある方がより良い調査報告書といえるでしょう。

    DVDの映像がある場合も

    探偵社によっては、写真だけでなく動画(DVD)で証拠を提出してくれる場合もあります。常に最適なアングルから映像を撮影し続けることで、ラブホテルに入る瞬間などをより鮮明に撮影できるので、不貞行為の証拠として信ぴょう性が高まるのです。

    ただし、動画(DVD)は追加料金になる場合もあるので、事前に料金を確認しておきましょう。鮮明な写真であれば裁判でも十分に有効な資料として認められるので、動画が必要かどうかは状況によって判断してください。

    探偵の調査報告書の法的効力

    離婚裁判になったとき、探偵の調査報告書は不貞行為の証拠として活用できるのでしょうか?せっかく高い調査費用を支払って探偵を雇っても、調査報告書が裁判で使えなかったら最悪ですよね。

    しかし、探偵の調査報告書が法的効力を持つなら離婚裁判や慰謝料請求を有利に進められるので、高額でも探偵を雇う価値があります。では、探偵の調査報告書が持つ法的効力について見ていきましょう。

    離婚裁判で浮気や不倫の証拠になる

    第三者が見ても「不貞行為」の事実が確認できる資料であれば、探偵の調査報告書を離婚裁判で証拠として使用できます。「不貞行為の証拠」とはラブホテルに出入りしていたり、浮気相手のマンションに出入りしていたりする証拠写真や記録です。

    手をつないでいるところやキス、ハグの写真、メールやLINEだけでは浮気の証拠として認められません。そのため、自分でスマホを探って浮気の証拠を見つけるよりも、探偵が尾行や張り込みによって押さえる写真や記録の方が、裁判で証拠として認められる可能性が高いです。

    また、ラブホテルやマンションなどに出入りしている写真は、ターゲットと浮気相手の顔が鮮明に映っていることが重要になります。写真と共に「いつ・どこで・誰が・何をしているのか」明確な記録がある調査報告書なら、裁判で資料としてそのまま使用することが可能です。

    証拠写真や映像のクオリティが重要

    調査報告書に添付される写真や、提出された映像のクオリティが低いと、裁判で証拠として認められない場合があります。

  • 日時や場所が明確
  • 顔や全身がしっかり映っている
  • ラブホテルに滞在していることが分かる
  • 第三者が見て浮気だと分かる
  • 上記の条件を満たしていないと、探偵の調査報告書は裁判で利用できません。文字ばかりで写真が少なかったり、GPSの履歴だけでは浮気と認められないので注意が必要です。

    夜の調査により、写真が真っ暗でターゲットや浮気相手の顔がはっきり映っていない場合も、調査報告書として無効になってしまいます。調査報告書のクオリティは探偵各社で全く異なるので、事前にしっかり調べておきましょう。

    簡易的な調査報告書は無意味

    悪質な探偵社だと、浮気調査の報告として数枚の写真だけを渡してきたり、文字だけの簡素な報告書を提示してくる場合があります。GPSの履歴だけだったり、行動の詳細がなかったり、簡易的な報告書では全く使い物になりません。

    しかし実際には、本当に裁判で使える資料がどのようなものか分かっていない探偵社が多く存在します。中には「調査した結果浮気していなかったので報告書は発行しない」「サンプルの報告書と全く違う」というケースもあるようです。

    裁判で使える調査報告書は、時系列に行動の詳細が記録され、第三者が見てもはっきり分かる鮮明な証拠写真や映像があるものだけ。すべての調査報告書が裁判で使えるというわけではないので、探偵社選びは慎重に行う必要があります。

    良い調査報告書を作成する探偵社の選び方

    クオリティが高い調査報告書なら、そのまま離婚裁判で証拠資料として使用できます。慰謝料や示談金を請求するときに有効活用できるので便利です。

    しかし、悪質な探偵社は調査報告書の質が低く、不貞行為の証拠として認められない場合があるので要注意。では、高品質な調査報告書を作成してくれる探偵社の選び方を見ていきましょう。

    調査報告書のサンプルをチェック

    探偵各社の公式ホームページには、調査報告書のサンプルが掲載されていることが多いので、まずはサンプルを確認してみましょう。サンプルが掲載されていない場合でも、相談に行った際に調査報告書のサンプルを見せてくれる探偵社であれば安心です。

    調査報告書を見たら、以下のことをチェックしてください。

  • 行動の詳細が時系列に書かれているかどうか
  • 写真や映像は鮮明かどうか
  • 写真と一緒に文章も記載されているかどうか
  • 浮気相手の情報まで調べてくれるかどうか
  • 調査が夜間になる場合は、夜に撮影した写真が明るく鮮明に見えるかどうか確認することが大切です。調査報告書は、探偵の調査力をダイレクトに判断できるもの。調査報告書を見せてくれない探偵社なら、選ばないほうがいいかもしれません。

    調査報告書の引き渡し日時を明確にできる

    調査報告書の引き渡し日時や、引き渡し方法を、契約前に明確にしておくことが大切です。悪質な探偵社だと、調査報告書をいつまでも発行してくれない場合があります。

  • 調査終了後、何日以内に調査報告書を発行するのか
  • 調査報告書の引き渡し日時
  • 調査報告書の引き渡し場所
  • 調査報告書の内容
  • 契約時、上記のことを明確にできる探偵社を選びましょう。調査報告書は依頼人にとって最も重要な書類になるので、少しでも調査報告書の所在を濁すようであれば契約しない方が賢明です。

    浮気・不倫調査の実績がある

    浮気・不倫調査の実績が豊富な探偵社なら、裁判でそのまま使えるような調査報告書を丁寧に作成してくれる可能性が高いです。弁護士事務所と提携していたり、離婚裁判の経験があったりする場合が多く、独自の書式やルールのもとで調査報告書が作成されます。

    どんなに安くて親切な探偵だとしても、実績が少ないと「本当に裁判で使える資料」の条件が網羅できません。調査報告書が裁判で使えなければ、慰謝料や損害賠償請求で有利に進められず、かえって損してしまう可能性も考えられます。

    離婚裁判で使える条件を網羅するためには、弁護士との連携や裁判の実績は必須。どの探偵社を選べばいいか分からなくなった時は、何年に設立されたのか、どれくらいの調査実績があるのかを確認してみてください。

    最新の機材を使用して撮影できる

    浮気や不倫調査においては、鮮明な写真や映像が重要な証拠になります。夜間でも顔がはっきり分かるほど、鮮明な写真をバレずに撮れるような機材を揃えているかどうかも確認しておきましょう。

    スパイカメラや暗視カメラ、望遠カメラなど、素人では手に入らないような高額の特殊機材を扱える探偵社であれば、高い調査能力が期待できます。鮮明な証拠写真や映像が撮影できれば、調査報告書の精度が高まるのは確実です。

    ほとんどの探偵社では「どのような機材を使用しているのか」と聞けば簡単に教えてくれます。機材に知識がなくても、機材の特徴や制度を教えてもらうことが判断基準につながるので、相談に行った際は質問してみてください。

    調査報告書や写真等の追加料金がかからない

    悪質な探偵社は、最初に安い金額で契約したにもかかわらず、調査報告書作成代として追加料金を請求してくるケースがあります。最初は10万円~20万円で契約したのに、調査終了後に100万円の請求が来てしまうトラブルも少なくありません。

    調査報告書の一部に空白があり「知りたい場合は追加料金がかかる」という悪質なケースもあるようです。探偵社とのトラブルの過半数は、調査終了後に発生する追加料金の関係なので、必ず契約前に明確にしておく必要があります。

  • 調査終了後に発生する追加料金の有無
  • 調査報告書作成代金は契約金額の中に含まれるか
  • 全ての写真や映像を追加料金なしで提示してもらえるか
  • 契約時、上記のことを明確にしておくことでトラブル防止につながります。追加料金がかかる場合でも、事前にはっきりと教えてくれる探偵社であれば安心です。

    探偵の調査報告書まとめ

    探偵の調査報告書は、クオリティが高いものなら裁判でそのまま不貞行為の証拠として使用できます。不倫調査や離婚裁判の実績がある探偵社に依頼して、法的効力を持つ調査報告書を手に入れましょう。

    悪質な探偵社だと、調査報告書の質が低かったり、そもそも調査報告書が送られてこない場合があります。裁判で使える報告書を発行してもらうために、事前にサンプルや実績を調べてから探偵社を選びましょう。