探偵ブログ

探偵の盗撮は訴えられる?浮気調査が認められている理由

探偵が不倫調査をするときは、尾行や張り込みをして「不貞行為の証拠」と分かる写真や映像を撮影します。しかし「探偵は盗撮にならないの?」「迷惑防止条例違反で訴えられないの?」と不安に感じているのではないでしょうか。

今回は、探偵の写真撮影は盗撮や違法になるかどうかについて解説していきます。探偵という業務が成り立っている理由や、違法になるケースも紹介していくので、最後まで読んで参考にしてみてください。

探偵の盗撮は違法にならない

結論から先に言うと、探偵の盗撮は違法になりません。むしろ、探偵が作成した調査報告書が裁判で証拠として使用されるほど、探偵による撮影は法律で認められている手段です。

しかし不倫された当事者であっても、素人が盗撮すれば違法になってしまいます。では、なぜ探偵の盗撮は違法にならないのでしょうか?

まずは、探偵の盗撮に対する疑問について解説していきます。「探偵を雇ったら訴えられるのでは」と不安に思っている人は、しっかり読んで不安や疑問を解消しましょう。

探偵は探偵業法で守られている

探偵は「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」という法律に守られているため、基本的な調査は合法です。公安委員会に「探偵業開始届出書」を提出している業者なら、合法的に探偵業を営むことが認められます。

探偵業法で認められている調査は「尾行・張り込み・聞き込み」による調査や、証拠写真を撮影すること。浮気調査の依頼により、ホテルに出入りする写真を撮影することは探偵業法で認められています。

パートナーや浮気相手に「プライバシー権の侵害だ!」と騒がれたとしても、探偵業法の範囲内であれば違法にならないので、安心して探偵に依頼してください。

探偵に調査を依頼しても訴えられない

探偵に浮気調査を依頼したとしても、依頼人が訴えられることはありません。パートナーや不倫相手に「盗撮」「ストーカー」「プライバシー権の侵害」と騒がれるかもしれませんが、探偵業法の範囲内であれば探偵による不倫調査は合法です。

そもそも既婚者が不倫するという行為自体が、民法上で「貞操義務違反」とみなされます。貞操義務は民法で明文化されているわではありませんが、日本は一夫一妻制を採用している以上、既婚者に与えられた当然の義務とされているのです。

また、不倫相手に対しても「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為」として、慰謝料の請求が認められます。民法上の違法行為をしているのはパートナーや浮気相手なので、不倫の証拠を掴みたいなら探偵に依頼するのが賢明です。

素人が盗撮すると違法になる

探偵は「探偵業法」に守られているため、「尾行・張り込み・聞き込み」による調査が認められています。しかし素人が探偵と同じような調査をすると、違法になってしまう可能性が高いので注意が必要です。

探偵は「感情が伴わない状況」であるため、調査をすることが認められています。しかし、素人の場合は恋愛感情や怨恨などの感情が伴うため「ストーカー規制法」や「プライバシー権の侵害」が適用されるのです。

また、探偵は法律において「やっていいこと」「やったらダメなこと」を熟知していまが、素人が法律を網羅するのは困難。知らないうちに違法行為を犯してしまい、最終的に自分が不利な立場になってしまうこともあるので、素人による不倫調査はおすすめできません。

探偵でも盗撮が違法になるケース

「盗撮」とは本人や持ち主の許可なく撮影すること全般を指す言葉です。しかし、現代はほとんどの人がスマホやデジカメで手軽に写真が撮れるので、違法性がなければ撮影は認められています。

探偵が不倫調査の依頼を受け、ターゲットの行動や浮気相手とラブホテルに出入りするところを撮影するのは合法です。しかし、探偵だからといってすべての盗撮行為が認められているわけではありません。

では、探偵による盗撮が違法になるケースについて解説していきます。違法な盗撮により取得された証拠写真は、裁判で証拠として認められなくなってしまうので、悪質な探偵を選ばないためにもしっかりチェックしておきましょう。

卑猥目的の盗撮

当たり前のことですが、卑猥目的の盗撮は犯罪です。ターゲットや不倫相手のスカートを覗くようなアングルであったり、トイレや浴室を盗撮したら「迷惑防止条例違反」や「軽犯罪法違反」にあたり、懲役や罰金などの刑罰が科せられます。

調査業務中に卑猥目的の盗撮を行うことは考えにくいですが、探偵社の中には悪徳業者も存在するので、念のため注意をしておきましょう。警視庁のホームページに過去3年分の行政処分データが掲載されているので、探偵社が行政処分をうけているかどうか事前に確認してみてください。

盗撮するための不法侵入

不貞行為の証拠を撮影する目的であっても、不倫相手の自宅に侵入して写真を撮影したり、盗撮気を設置するのは違法行為です。刑法130条「住居侵入罪」や「住居・建造物侵入罪」にあたり、懲役や罰金などの刑罰が科せられます。

成功報酬制の探偵や新米探偵など、何が何でも不貞行為の証拠を撮影したいという状況下では、不法侵入を犯してしまいがちです。探偵が不法侵入等による行政処分を受けた事例も発生しているため、悪質な探偵社に依頼しないように気をつけましょう。

盗撮目的で器物破損する

不貞行為の証拠を撮影しているとき、何らかの理由で第三者の私物を壊してしまった場合、刑法261条「器物損壊罪」に抵触します。ターゲットの車に傷をつけてしまったり、撮影に集中しすぎて近くにあるものを壊してしまったり……探偵が器物損壊罪で訴えられるケースは珍しくありません。

写真を撮影するために不倫相手の自宅に侵入し、植物の枝を折ってしまった場合は「住居侵入罪」「器物損壊罪」に抵触します。器物損壊によってトラブルになり、調査中に探偵と第三者でトラブルになって暴行罪、傷害罪につながってしまうケースもあるようです。

盗撮した写真を使った脅迫

不倫調査の中で盗撮した写真を利用し、本人を脅迫したり金銭を要求する行為も違法です。刑法222条「脅迫罪」に抵触し、懲役や罰金などの刑罰が科せられます。

また、探偵業法の守秘義務違反にもあたるため、不貞行為の証拠写真を利用した脅迫については重罪です。探偵自身が逮捕されるだけでなく、探偵社が廃業に追い込まれることもあります。

法律を守って営業している探偵社に調査を依頼すれば、これらの違法行為は基本的に行われません。しかし、探偵業の届け出をしていない悪質な業者だと違法行為を行うことがあるので、探偵選びは慎重に行いましょう。

探偵が盗撮以外で違法になるケース

探偵は、盗撮以外でも違法になってしまうケースがあります。違法行為を行っている探偵社は、高額な調査費用を不当に請求してきたり、まともに調査をしない悪質な業者の可能性が高いので注意が必要です。

違法行為によって盗撮された写真は、裁判で不貞行為の証拠として認められません。高額な費用を支払ったのに「不倫された上に詐欺に遭った」という状態になってしまう可能性があり、大変悲惨です。

悪質な探偵社に依頼しないよう、探偵の違法行為を把握しておきましょう。では、探偵が盗撮以外で違法になるケースを紹介します。

探偵業の届け出をしていない

平成19年に施行された探偵業法により、探偵社を開業するには各都道府県の警察署を経由して公安委員会へ届け出をすることが義務付けられました。そのため、探偵業の届け出をしていないなら、探偵として活動していること自体が違法です。

開業が認可されると公安委員会から「探偵業届出証明書」が交付されるので、探偵事務所に訪問したときは「探偵業届出証明書」が掲示してあるか確認しましょう。「探偵業届出証明書」が掲示してある探偵社であれば、探偵業法を遵守している探偵社として信頼できます。

悪質な探偵業だと、届け出をしていなかったり、そもそも探偵事務所を構えていなかったりするので、少しでも怪しいと感じたら契約しないようにしてください。悪質な探偵と契約を結ぶと、高額な費用を請求されるなどのトラブルに巻き込まれる可能性が高いです。

SNSのアカウント情報をハッキング

不倫を疑った時、まずはLINEなどのSNSを盗み見ようと考えるのではないでしょうか。しかし、不正に入手したIDやパスワードを使ってアカウントにログインする行為は「不正アクセス禁止法」に違反します。

探偵はもちろん、夫婦間であっても、不正にハッキングして他人のアカウントにログインするのは違法です。「不正アクセス禁止法」で訴えられた場合、懲役や罰金などの刑罰が科せられます。

また、LINEやメールのやりとりだけでは、裁判所で不倫の証拠として認められません。リスクが高いばかりでメリットがないので、「LINEを解析する」等の広告を出している探偵があったら、違法性がないかどうかしっかり確認することが大切です。

監視アプリを勝手にインストール

GPS機能や遠隔でスマホの操作ができる監視アプリは多数ありますが、パートナーに無許可でインストールすると「不正指令電磁的記録に関する罪」に抵触します。配偶者が不倫調査の目的で行った場合でも、懲役や罰金が科せられてしまうのです。

探偵に調査を依頼した際、ターゲットのスマホに監視アプリを入れるよう指示されたら必ず断り、契約を破棄しましょう。そのような指示をしてくる探偵は、法律を全く理解しておらず、探偵業の届け出もされていない可能性が高いです。

探偵に認められている調査方法は「尾行・張り込み・聞き込み」のみ。監視アプリを入れないと調査できないような探偵であれば、高額な調査料を支払ってまで依頼する価値はありません。

不正になりすまして聞き込み調査

探偵が警察などになりすまして聞き込み調査を行った場合「官名詐称」に抵触します。また、宅配業者に成りすましたり、ターゲットの家族に成りすまして住所や電話番号などの個人情報を得る行為も犯罪です。

探偵であると身分を明かした上で「あの2人は恋愛関係なのか」「よくホテルを利用するか」などと聞き込みするのはOK。「街並みの調査中」「ロケの下調べ中」など架空のストーリーを作って、ターゲットと不倫相手の関係性やよく利用する店を聞き出す方法も合法の範囲です。

しかし、公務員や特定の団体に成りすましたり、個人情報を聞き出したりする行為は違法になります。探偵だからといって何をしてもいいわけではないので、探偵業法を遵守している探偵かどうかしっかり見極めてください。

犯罪を助長する調査

探偵は、犯罪を助長する調査依頼を引き受けることは探偵業法違反です。そのため、ストーカー目的や嫌がらせ目的の調査には絶対に加担できません。

犯罪を助長するような調査をしている探偵社であれば、他の違法行為にも及ぶ可能性があります。不倫調査だけなら問題ありませんが、念のため行政処分履歴や口コミなどを調べて、過去に違法行為が行われていないか確認してみてください。

邸宅内を覗き見る

ターゲットが不倫相手の自宅に入ってしまったとき、邸宅内を覗き見すると「窃視の罪」に抵触します。「住居侵入罪」にもあたる場合、重い方の罪で処罰されるのがルールです。

浴室やトイレなど、衣服を脱ぐような場所をのぞき見したことがバレれば、より重い罪が科せられるでしょう。不貞行為の証拠は覗き見しなくても押さえられるので、「住居侵入罪」や「窃視の罪」を犯す探偵は知識が乏しく悪質であることが明確です。

探偵の盗撮まとめ

探偵が不倫調査で写真を撮る行為は、盗撮であっても基本的には合法です。探偵業法をきちんと守って営業している探偵社であれば、安心して調査を依頼できます。

しかし、探偵だからといってすべての盗撮行為が合法なわけではありません。悪質な探偵社は探偵業法を守らず、違法行為を行う可能性があるので注意が必要です。

違法に取得した証拠は、裁判で証拠として認められません。探偵による違法行為を認識し、悪質な探偵社と契約しないようにしましょう。